働くシニア世代
通勤するために、朝、電車に乗っていますが、最近、働くシニアの方を見かけることが増えてきました。
毎朝同じ電車に乗る人、週に2、3回見かける人、頻度はさまざまですが、皆さん、結構なお歳に見えます。
でも、
「何だか辛そう」
「お金に困っているのかしら?」
などというマイナスイメージは全くなく、皆さんシャキッとなさっていて、生き生きしておられます。
もちろん、本当は生活が苦しくて働いているのかもしれないし、内情など他人の私には分かりません。
けれども、凛とした佇まいを醸し出す人は、年齢など関係なく、とても魅力的に感じます。
程よい緊張感がプラスに働く
毎朝見かける、おそらく70代前半から半ばと思われる男性は、きっちりスーツを着て、持っているバッグもかっちりしています。
どんなお仕事をしておられるのかは分かりませんが、毎朝、大変なことだろうと思います。でも、いつもニコニコしておられて、そんな姿を見ていると、男性に比べたら私などまだまだ若いのだ、頑張らなくてはと気合が入ります。
それから、週に2、3回見かける、60代半ばから後半くらいの女性。
スーツではありませんが、いつも割ときっちりした格好をされています。
大学の先生かしら?などと勝手に想像しているのですが。
知的な雰囲気が、とても素敵な方なのです。
その他にも「ザ・出勤」という感じの多くのシニアを見かけますが、その方々に共通することは、いかにも「おじいさん、おばあさん」という雰囲気ではなく、きりっとしたオーラが出ているということです。
毎日緊張感を持って生活していると、そういうオーラが出るものなのでしょう。
内館牧子著「すぐ死ぬんだから」
先日、映画化もされた「終わった人」の著者として有名な内館牧子さんの小説、「すぐ死ぬんだから」を読みました。
主人公の忍ハナは78歳。
夫と二人で麻布のマンションに住み、「六十代に入ったら、男も女も絶対に実年齢にみられてはならない」という持論のもと、外見磨きに精を出しています。
ハナは世の老人たちに対して、とにかく毒舌です。
そして、その毒舌がなかなか的を得ているのです。
ハナの毒舌は、例えばこのようなものです。
銀座で同窓会に参加したとき、野暮ったい恰好の、外見に手をかけないことをお金がないせいにする友人たちに対してお腹の中で毒づくセリフ。
お金がないという言葉を、真に受けてはならない。本当に貧困にあえぐ人たちもいるが、一般老人はなぜお金がないか。
貯金するからだ。
年金をやりくりし、生活を切りつめ、「老後のために」と貯金するからだ。
まったく、今が老後だろうが。
若いうちに切りつめて蓄えたお金は、今が使い時だろうが。
八十間近の、さらなる「老後」に何があるというのだ。葬式しかないだろう。
そして、会がお開きになり、満足して帰っていく元同級生たちの姿をみたときの嘆き。
その姿を見て、天を仰いだ。
大半がリュックを背負っている。今時のおしゃれなリュックではない。毎日使っているのだろう、色褪せてくたびれ切っている。
これも「年なんだから楽が一番」の例だ。
若い人のリュック姿とは全然違うことに、気づかなければならない。
リュックは楽だし、両手があいて安全で、老人にはピッタリだ。であればこそ、病気でないなら拒否する気概が必要だ。
その上、男も女も登山帽というか何というか、これもスーパーで売られているような、安っぽい帽子をかぶっている人が多い。
リュックに帽子でゾロゾロ帰って行く老いた一団は、何だか虫の一群に見えた。
誰もが年を取る。
だが、誰もが虫になるわけではない。
自分に手をかけない無精者だけが、虫になる。
人間のなれの果てを見せられた気がした。
私は、虫たちとは逆方向に、一人で歩き始めた。駅には遠回りだが、あの一群と友達だと思われたくない。
ぎくっとした方もおられるかもしれませんね!
まだアラフィフの私ですが、今から肝に銘じておこうと思いました。
人間、中身も大事ですが、外見も重要。
外見を美しくすることで自信を持つことができ、いつまでも若々しくいられるということは間違いではないと思います。
おわりに
人生100年時代。
元気で長く生きられる時代がやってきました。
いくつになっても好奇心を忘れずに、何かを学び続けたい。
働くのもよし、ボランティアや趣味に力を注ぐのも楽しく、充実した日々を過ごせるのではないでしょうか。
そして、中身だけでなく外見も、楽な方に流されず、手をかけていつも身ぎれいにしていたいものです。
「もう歳だから」なんて思わずに、外見も中身も磨き続けることで、生き生きとしたシニアライフを楽しめることでしょう。
そんなシニアライフを楽しむためにも、今から生活の無駄を見直して、少しでも貯蓄を増やしたいですね。