母と息子
息子が昼食に何か美味しいものを食べに行きたいと言うので、どうしようかと迷いましたが、寒いし、雨も降っていることだし、何となく積極的な気持ちになれなかったので、また今度ということになりました。
どちらにしても、緊急事態宣言発令中なので、あまり気持ちは浮かれません。
息子とは食の好みが似ているので、時々、休日に二人で外食します。
息子は今中学2年生なのですが、母親と出かけることを嫌がりません。
しかし、息子と二人で出かけられるのも、もしかしたらこの先長くはないかもしれないので、今のうちに、たくさんの場所に行って、思い出を作りたいと思っています。
今はコロナ禍で外出がままならないので、早く収束することを祈るばかりです。
将棋界のミステリー「死神の棋譜」
そういうわけで、今日は家でゆっくり読書を楽しみました。
数日前に読み始めた奥泉光著「将棋の棋譜」を読了。
|
この小説は将棋界が舞台のミステリーです。
実在の、東京・千駄ヶ谷にある将棋会館から物語は始まります。
羽生善治九段ら実在の棋士も登場し(セリフはありません)、将棋ファンならきっと楽しめるに違いないでしょう。
将棋界は、四段からがプロということになります。
プロを目指す棋士たちはその四段になる前に「奨励会」に属し、四段を目指して戦います。
この小説にも、プロを目指す奨励会の三段の棋士が登場します。
四段に上がることが出来ずにプロを諦めた者、四段を目の前にして失踪した者・・・。
戦前の地下将棋組織「棋道会」の謎、失踪した棋士の行方、女流棋士への恋・・・。
幻想世界と現実世界が絡み合い、ラストは驚きのどんでん返し。
謎解きは、はっきり説明してくれる訳ではないので、本当に自分が理解したかどうかはあやしいですが、ドキドキハラハラのミステリーを堪能しました。
実は、奥泉光氏は今回初めて知った作家さんでした。
この方の端正な文章が好みです。
たくさんの小説を読んでいるつもりですが、まだまだ知らない作家さんが多く存在します。ということは、まだ読んだことのない素晴らしい作品がたくさんあるということ。
読書の楽しみが尽きることなく続くことを幸せに思います。
将棋会館の思い出
小説に出てくる東京・千駄ヶ谷にある将棋会館には、息子と二人で訪れたことがあります。
息子は小学生のとき、将棋に興味を持ち、将棋教室や将棋サークルに入っていたので、私もいつも付き添っていました。
そして、将棋をやるなら、やはり「聖地」である将棋会館に一度は連れて行ってやらなくては、と思ったのです。
その日はちょっと奮発して、西新宿のハイアットリージェンシーで昼食をとり、その後総武線に乗って将棋会館へ向かいました。何人かと対局が出来れば、と思っていたのですが、対局室はすでに定員オーバーで、対局をしたければ朝一番から来ないと入れないとのこと。そんな事は知らなかったので、のんびりホテルランチなどしてしまいました。
仕方がないので、対局室で他人の対局を少し観戦してから、1階の物販部で将棋のグッズなどを見て回ったりしてしばらく過ごしました。
帰りには新宿のデパートでヴィタメールのシュークリームをお土産に買ったことを憶えています。
結局、将棋が主なのか食べることが主なのか分からないような一日でしたが、今でも大切な思い出として私の心の中に残っています。
今日は将棋繋がりで楽しい思い出に浸れた休日となりました。
息子もこの日のことはしっかり覚えているようでした。良かった!