一田憲子著「丁寧に暮らしている暇はないけれど。」
編集者として忙しい毎日を過ごす中でも、日々を快適に暮らす一田さん。
「丁寧に暮らしている暇はないけれど。」には忙しく、自称面倒くさがりな一田さんの、それでも楽しく日々を過ごすための家事の仕方やファッション、ものの考え方などが、美しい写真とともにギュっと詰まっています。
中でも、ファッションについての考え方に多くの共感を覚えたので、一部をご紹介します。
ファッションについて
服は、シンプルで「普通の服」を選ぶ一田さん。
おしゃれというものは、洋服の力でなく、自分でするもの
というところにはっとしました。
昔はかっこよく見えるもの、目立つ服ばかり買っておられたそうです。
しかし今は、普通の服ばかりを購入するようになったのだとか。
以来、意識して「普通の服」を選ぶようになりました。丸首の白のネックセーターにグレーのきれいめパンツとか、ネイビーのパンツに白シャツを合わせるとか。そのうえで、「普通」だけで終わらないよう、気を配ります。シンプルだからこそ、パンツのシルエットがものを言います。白シャツをちょっと出すことで垢抜けるから、袖口のロールアップの仕方を工夫します。
普通だから組み合わせも自在。あのパンツには、これもあれも合わせられる。こうして「洋服を買っても買ってもおしゃれになれない」という悪循環から抜け出し、手持ちの服からおしゃれをする、という楽しみ方が少しできるようになった気がします。
普通の主婦であり普通の事務系パート職である私
家庭の主婦であり、会社の事務の仕事をする、平凡なアラフィフの私。
芸能人やセレブのように、パーティの予定があったり、派手な交友関係もなく、毎日個性的な服を、とっかえひっかえして着る必要は全くありません。
そう、必要なものはベーシックな服なのです。
数年前、物を減らし、シンプルな暮らしを始めた頃、私はファッションに関しても、そんな風に考えるようになりました。
それまでは、もちろんベーシックなものも持っていましたが、時々ちょっと個性のあるものが欲しくなり、そしてまた、そういうものを着ることがおしゃれなのだと思っていました。
しかしそうすると、その個性あるアイテムに合わせるものも新たに買う必要が生じ、すっかり買い物のループにはまってしまっていました。
そうすると、お金はどんどん無くなり、クローゼットは服だらけ。
そしてその時気に入った個性的な服も、すぐに飽きてしまって、二束三文でリサイクルショップに売る羽目に。
けれども、ベーシックなものに目覚めてからは、少ない枚数で、たくさんの組み合わせができるようになり、飽きもこないので、長く同じアイテムを着続けることが出来るようになっています。
私は元々一つの服を長く着続ける方ですが、10年前に買った服で今も着ているものは、すべてシンプルなデザインのものばかりです。
シンプルな服のおしゃれの楽しみ方
手持ちの服は、紺、茶、グレー、黒、ベージュ、キャメルなどの、シンプルでコンサバなものが多いです。
形はシンプルなものばかりなので、本当に地味、というか「普通」の服です。
こういう服に、私はほぼ毎日一粒ダイヤのエンゲージリングをつけて会社に行っています。
エンゲージリングを引き出しに仕舞い込んでいる既婚者は、結構多いのではないでしょうか。
普段、なかなか着けることはないエンゲージリング。特に一粒ダイヤの存在感のあるものであればなおさらではないでしょうか。
でも、そうならばあまりにも勿体ないと思うのです。
私は、事務職で手が汚れることがないこともあり、マリッジリングにエンゲージリングを重ねてつけています。
最初は、仕事に行くのにダイヤをつけて行くなんて・・・という気持ちが大きかったのですが、今ではすっかり手になじんで、日常にダイヤモンドリングがあります。
そのかわり、ダイヤのリングをつけるときは、ネックレスやイヤリングなどのアクセサリーは一切つけません。
そうすると、シンプルな服にダイヤモンドの白い輝きがとても映えます。
今は、そういうおしゃれを楽しんでいます。
服はたくさんはいらない
寒い冬が終わり、分厚いコートもセーターも完全に着なくなった今の時期、私はトップス4枚、ボトムス4枚を着回しして、通勤しています。
数は少ないけれど、これで十分だと思っています。
メンタリストDaiGoさんはこのように述べています。
片付けで悩んでいる人に服を減らしたほうがいいとアドバイスをすると、「そこまでは減らせない。いつも同じ服を着ていると思われてしまうから」という声が上がることがよくあります。特に女性はそうした考えをされる方が多いようですが、これについては、「あなたの自意識過剰です」とはっきり申し上げたいと思います。
人間はそこまで他人に興味を持ちませんし、記憶力にも限りがあります。数日前と同じ服を着ていたとしても、ほとんどの人は気づきません。実際、今日会った人がどんな服を着ていたかさえ思い出せないでしょう。
ですから、ファッションが趣味である人を除いて、服のバリエーションを増やすことに、ほとんど意味はありません。服をたくさん買ってしまう理由の多くは、自意識過剰によるものです。
メンタリストDaiGo著「人生を思い通りに操る片づけの心理法則」より
おわりに
個性的な服が着たい!と、確固たる信念を持って生きている人は別として、普通の人は、そう多くない数のシンプルな服をベースにして、アクセサリーやストールなどの小物で自分らしさを出せば、失敗がなく、経済的な負担も少なくて済むでしょう。
街を歩いていると、装いはシンプルだけれど、どこかキラリと光る素敵な人を時々見かけます。
そういう人達に共通しているのは、髪を綺麗に手入れしていること。そしてとても姿勢が良いということ。
「おしゃれ」をするのに、決して多くの服が必要、ということではないのです。