昔から、私は何かに夢中になって一生懸命になっているときに、突然虚無感に襲われることが度々ありました。そして最近またその頻度が高くなっているようです。
すぐに放置状態になるブログも、頑張って継続しようと心に決めたばかりというのに、早くも虚無感に襲われています。
太宰治の「トカトントン」という短編小説をご存じでしょうか?
時代は太平洋戦争直後。
主人公の青年が、何かに一生懸命になっていると、突然どこかから「トカトントン」と金槌で何かを叩く音が聞こえてきます。すると、今までの熱い情熱がすっと醒めてしまうのです。そんな事が何度も何度も起こり、その悩みを作家への手紙に記します。
20歳前後の若かりし頃に読んだ小説で、本はもう手元には無く、細部も結末もすっかり忘れていますが、何もかもが突然むなしくなる、金槌の「トカトントン」だけは強く記憶に残っていて、私も突然の虚無感に襲われたときは、「ああ、またトカトントンだな」という具合です。
調べてみると、Amazon kindleで読み放題になっていました。(2023年10月18日現在)
ちょうど今読み放題の会員になっているので、なんとラッキーな! 早速久しぶりに読み返そうと思っています。これも何かに導かれているのでしょうか?
今の私の心理状態が分かれば良いのですが。
若い頃は太宰治が大好きで、色々と読みましたが、一番好きなのは「斜陽」です。これだけは今でも持っていて時々読み返しますが、読むたびに新たな発見があり、改めて、私の人生は本を読むことで救われていて、また、多くの喜びを与えられていると思います。
今日は仕事が休みだったのでブログを書こうと思っていたのに、突然「トカトントン」が聞こえてきて、何もかもが虚しくなりましたが、何とか頑張って書き始めると、この「トカトントン」を題材に1記事書くことが出来ました。
まずは行動してみる、ということが大事なのかもしれません。
「トカトントン」に負けないように、まずは行動。
1記事書けただけでなく、「トカトントン」を再読する機会にも恵まれました。短編なので、夕食後の読書タイムにさっと読もうと思います。結末が楽しみです。