すべてのCDをリサイクルショップヘ
何年もかけて、少しずつCDを減らしてきました。
私が集めてきたCDは、1990~2000年頃に買ったものがほどんどで、ジャンルはクラッシックとロックばかりです。
音楽とは、過去へのタイムマシーンである、と言われていますが、全くその通りで、青春時代に何度も聴いた曲は、50歳を超えた今聴き返すと一瞬にして時が30年以上巻き戻ります。
10代半ばから20代前半にかけての時期というのは、特別なものがあります。決して良い思い出ばかりではなく、悲しく、傷ついた日々の記憶も消えることはありません。それでもそれらをすべてひっくるめて、無邪気で、輝かしい日々でありました。
このたび、そのような、過去へ遡ることのできる大切なCDを、すべてリサイクルショップへ買取に出しました。10年ほど前から少しずつ減らしていたので、残っていたのは50枚でした。
実は、数年前からCDは全く聞かない状況が続いていました。
その理由は、広告の入らないユーチューブプレミアムに加入し、動画で音楽を聴くようになったためです。【家族5名まで利用できる月額2,280円のファミリープランです(2023年4月現在)】
クラッシックならば、昔のピアニストの録音だけでなく、次々と現れる新人ピアニストの演奏も聴き放題です。ポーランドのワルシャワで行われる、あのショパン国際ピアノコンクールの演奏も世界に配信され、家で楽しむことが出来るという素晴らしい時代です。
また、私は日本のロックも好きなのですが、高校生の頃好きだった氷室京介やTMネットワークのメンバーの若かりし頃のライブ映像をいともたやすく見ることが出来る幸せを、50歳を超えた今、日々かみしめています。
当時は、ライブに行くことはハードルが高く、DVDも高価でした。小遣いでCDを買ったり、音楽雑誌を買い、気に入った写真を切り取って透明の下敷きに挟んで持ち歩くことがささやかな楽しみでした。また、当時はまだテレビの音楽番組がそれなりにあったので、目当てのグループが出演するときは、テレビにかじりついて見ていました。それを録画して観ることもありましたが、現代のスマホで簡単に再生することと比べると、ちょっと面倒な作業でした。でもそれはそれで良き時代だったのですが。
スマホ一つで簡単に音楽や動画を楽しめるようになると、CDをケースから出して、プレイヤーにセットするという行為すらも面倒になってくるのですよね。
・・・私だけでしょうか?
スマホだと、持ち運びも簡単ですし、音飛びもありません。
そういえば昔、CDウォークマンを通勤時に愛用していましたが、音飛びガードがついていても、完全に音飛びを無くすことは不可能でした。なるべく、そ~っと持ち歩いていたことが懐かしいです。
私はCDの時代を生きましたが、私の子どもたちは、CDを1枚も持っていません。
買ったことがないんですよ。今、大学生と高校生の子どもは、音楽をモノとして買うという概念がないようです。
ダウンロードや配信サービスの時代の子なのですね。
そのことも、私からCDへの執着を断ち切ってくれました。
CD50枚をすべて売却しましたが、買取価格は全部で700円ほど。
しかし、お金のために売ったわけではないので、送料無料で引き取って貰えただけでもありがたいと思っています。
処分するかどうか、長年悩んだ末にようやく決行したCDの断捨離。
後悔するかとも思いましたが、今、何の未練もありません。むしろすべてを手離して清々しい気分です。