姫椿流 隠居生活への道

本と紅茶とピアノを愛するアラフィフ姫椿のブログです。隠居生活が夢♬ 小田原についても書いています。

冬のお楽しみ♩フェアトレードチョコレート。本物のチョコレートとは?

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冬がやってくると必ず買う絶品チョコレート

 

冬になると必ず買うのが、これらのチョコレート。

 

冬のお楽しみです。

 

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これらはフェアトレードのチョコレートです。

 

他にも色々な種類がありますが、今回買ったのは、ハイカカオのビターチョコレート、コーヒーとヘーゼルナッツのクリームフィリングの入った少しほろ苦さのある甘いチョコレートの2種類です。

 

フェアトレードチョコレートはここ数年で、あちこちのお店で見かけるようになりました。取扱店が増えていくのは嬉しいことです。

 

チョコレートの原料となるカカオ豆の農場で働く人々は、驚くほどの低賃金で労働を強いられ、とても貧しく、また、児童労働も多いそうです。

 

私たちが安い値段でチョコレートを買い、手軽にその美味しさを楽しめることの背景には、犠牲になっている人々がいるということなのです。

 

フェアトレード=公平、公正な貿易

 

安い値段でものが買えるのは嬉しいことだけれど、それによって誰かが泣くようなシステムは間違っています。

 

正当な対価を生産者に支払って作られるモノは、決して‘激安‘にはならないはず。

 

チョコレートだけでなく、衣料品などでも、生産者や、また、職人の低賃金の労働が問題化しています。

 

商品を買うことで、生産者も消費者も、どちらもが幸せになるのが当たり前のことですよね。

 

とびきりの美味しさ

 

フェアトレードチョコレートの価格は、安くはありません。

 


 

 


 

 

 


 

 

それは、公平、公正に取引が行われているということだけでなく、原材料にもこだわりがあるからなのです。

 

一般的に、チョコレートの原材料によく使われている乳化剤や植物油脂は使われていません。

(中にフィリングが入っているものは、シンプルな材料だけとは言えませんが)

 

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ですから、高くても納得です。

 

良い材料で丁寧に作られているので、美味しいのは当然です。

 

高いお金を出して買う価値があるチョコレートなのです。

 

チョコレートは高級品

 

そもそも、チョコレートは高級なもので、本物を求めれば、普通の人はそんなにしょっちゅう買えるものではないと思います。

 

昔々は王侯貴族しか口に出来なかったのですから。

 

それが今では安価な添加物によってそれらしい味に作り上げることが出来るようになりました。子どもの小遣いでも買えるような値段で手に入れることが可能になったのです。

 

私もそんなチョコレートを子どものころからたくさん食べて育ってきたのですけれどね。

 

小学生の頃の私にとって、ちょっと高級なチョコといえばせいぜい森永のハイクラウンチョコくらいでした。でもあれは美味しかったです。今食べたらどう思うかは分かりませんが。

 

あとは神戸のモロゾフも高級イメージでしたね。

 

ハイクラウンチョコは、最近復刻版が出たそうですよ。

 

www.morinaga.co.jp

少し話が逸れてしまいました。

 

こだわりのショコラティエ

 

先日読んだ宮本輝の小説に、大阪のチョコレート職人が語る場面があって、その部分がとても印象に残ったのでご紹介します。

 

 

舞台は昭和42年。大阪です。

 

 私はチョコレート職人としては腕がいいと思っている。チョコレートについて話しだすと長くなるが、いま日本で売っているチョコレートはすべて偽物だ。世界のチョコレートはほとんど偽物といっていい。本物は西ヨーロッパのベルギーとフランスの菓子職人しか作れない。

 

 なぜかといえば、カカオもカカオバターも高価で、他の油を混ぜなければ採算が合わないし、おやつ程度のチョコレートならそれで充分だからだ。

 本物は最高級のカカオとカカオバター、生ミルク、砂糖しか使わないが、それを求める客はいまの価格の十倍の代金を払わなければならない。いや、二十倍かもしれない。日本のミルクチョコレートの板チョコは五十円だが、あれと同じ大きさの本物の板チョコは一枚千円だと思えばいい。

 

 そんな高いチョコレートが売れるわけがない。チョコレートというものが日本に入ってきてからずっとそう思われてきた。いまもそうだ。だが、本物のチョコレートをいちど食べたら、もうまがいものは口にしたくなくなる。

 

 私は小さなお店を持って、そこで本物のチョコレートだけを売ってみたい。最高級のカカオをカカオバターを仕入れて、そこにグラニュー糖を入れて、大理石の台で練る。この「練り」が職人の腕の見せ所だ。練り方ひとつでチョコレートの味が魔法のように変わる。

 

 私はチョコレートの層のなかに砕いたナッツが入っているのが得意だし好きなので、それだけを作ろうと思う。

 

 値段は実際に作ってみないとつけられないが、一箱に直径三センチ厚さ三センチのナッツチョコレートが十個入っていて三千円くらい。世界で最高のチョコレート菓子だ。

 

 一日に十箱しか作らない。売れなくてもいい。思い切って贅沢してみようというチョコレート好きが東京から新幹線に乗って買いに来るかもしれない。やってみなければわからない。大将、私のこの道楽とも冒険ともつかない計画をどう思うか。私は日本人に本物のチョコレートとはこういうものだと知ってもらいたいのだ。

 

 

これは今から50年も昔の話。

 

今の日本は、もうすっかり豊かになって、高級チョコレートは大して珍しくも無くなりました。

 

そういえば、今からもう20年以上前のことですが、独身の頃、出張で東京へ行った帰りに銀座に寄り、和光のチョコレートショップで、自分のために宝石のようなチョコレートをいくつか詰め合わせて貰ったことを思い出します。

 

あらためて、なかなか贅沢なことをしていたなと思います。

 

これからもそういうものに気持ちよくお金を使える自分でありたいです。

 

 

おわりに

 

チョコレート。

 

生きていくのに、必ず必要なものではないけれど、1粒口に入れるだけで幸せな気持ちになれる。

 

食べる自分だけでなく、作ってくれる人々も幸せになりますように。

 

フェアトレードチョコレートは決してただ高いだけのチョコレートではないので、まだ食べたことのない方にはぜひ一度食べてみていただきたいです。

 

とても、とても美味しいです!