バッグを買うための積立
1年前の夏、どうしても欲しいと思うバッグを手に入れるため、デパートの友の会に入会し、1年でお得にお金を貯める計画を立てました。
選んだのは、月々1万円を積み立て、1年後にプラス1万円のボーナスを受け取ることができるコースです。
銀行に毎月1万円預けたとして、1年後に一体どれだけの利息がつくのでしょうか?
1年間積み立ててたら、1ヶ月分の積立額がプラスαとして貰えるなんて、友の会は本当にお得だと思います。
満期を迎えて
そして7月に待ちに待った満期が来ました。
毎月1万円を積み立てて、1年で12万円。それに1万円のボーナスが加わって、合計13万円が友の会のお買いものカードにチャージされました。
さっそく、うきうき気分で伊勢丹へ。
しかし欲しかったバッグ(まだ売っていた!)を1年ぶりに手に取ってみても、何だか気持ちが上がりません。どうしてなのか?何だか気持ちが醒めてしまった感じです。
こういうときは無理に買わないのが賢明です。
これは今までの買いものの失敗から学んだこと。
他のバッグ売り場も見て回りましたが、気に入るものはありませんでした。
結局、何も買わずに店を後にしたのです。
物欲とは
13万円の買い物が出来る友の会のカードを持っていると、それだけでとても豊かな気持ちになります。
13万円なんてはした金、という人は世の中にはたくさんいるでしょうけれど、お金持ちでも何でもない者にとっては、大金です。しかも、スーパーで売っている生活のためのモノではなく贅沢のために使えるお金なのですから。
1年前にバッグを欲しいと思ったときは、どうしても予算の都合で諦めざるを得ませんでした。
そういう時ほど、欲しくて欲しくてたまらなくなるのでしょう。
そして、1年後のお楽しみのためにこつこつと積み立てをしましたが、結局は何も買わずじまい。
せっかく貯めたのに、少し残念な気持ちになりました。
不思議な事に、経済的な余裕や気持ちのゆとりがあればあるほど、物欲は減っていくのかもしれません。
おわりに
帰宅してクローゼットを開け、今使っているバッグを眺めてみました。
そして改めて思ったのは、新しいものを買わなくても、今、何も不自由している訳ではないのだ、ということです。
そうすると、欲しいという気持ちが無くなって良かった、買わなくて良かった、という気持ちがじわじわと沸き上がってきました。
私はもうバッグを持っている。
当たり前の事実に思い至ったのです。
今持っているものより、もっと素敵なものを!と欲を出し始めたら、キリがありません。
もちろん、そんな贅沢もたまには必要だと思います。
けれども、今回は買わなくて良かったです。本当に。
最初は残念だった気持ちが、清々しいような気持ちに変化しました。人の気持ちとはちょっとしたことで変わるものです。
チャージされたままの13万円は、またいつかのお楽しみのために取っておくことにします。