生活の変化
会社では、2ヶ月おきくらいにメンバーの入れ替わりがあります。最近、二人が退職し、一人が今の職場に留まって働く時間を増やすことになりました。
三人にそれぞれの理由を聞いてみましたが、それは、ひと言でいえば「生活の変化」といえるでしょう。
子どもはどんどん大きくなり、親は老いていく。
平和なこの国で、そこそこ平穏に毎日が過ぎ、そのようなずっと変わらない日が、明日も、そのまた明日も、変わらずにやってくるように私達は思ってしまいがちです。
しかし、実際は日々、皆歳をとり、自分も周りも、少しずつ、少しずつ、変化しているのです。
介護離職
一番歳上で頼りがいのあるN美さん。
50代半ばの彼女は独身で、母親と実家で二人暮らしをしています。
最近までお母さんは元気だったのですが、一度外で転んでから、身体が不自由になってしまったそうです。
退院したお母さんをもはや日中、一人にしておくことは出来ず、しかし施設は死んでもいやだと言い張るお母さん。
彼女は介護のため、離職することを決意したそうです。
この先収入がゼロになってしまう彼女。
お母さんの年金で何とか生活していくのでしょうか。
「きっとパートに出る方が楽だと思う」とN美さんは言っていました。
二人暮らしでの介護。この先辛いこともあるでしょう。頑張り過ぎず、何とか上手くやっていって欲しいと願っています。
退職し、パートから契約社員へ
今の会社を辞めて、契約社員として新たな会社に入社する予定のB子さん。
彼女の中学生の娘さんが、私立高校に合格しました。
B子さんの夫は大手企業に勤めるサラリーマンですが、それでも、私立高校の高い学費を捻出するため、もっと多くのお金を稼ぐために、B子さんはパートをやめることになりました。聞けば、暫く前から新たな職場を探していて、ようやくフルタイムの契約社員として、採用が決まったのだそうです。
勤務時間が今までよりも大分長くなり、大変だとは思いますが、収入はかなりupするそうです。可愛い娘さんのためならきっと頑張れることでしょう。
同じ会社で パートの身分のまま年収を上げる働き方へ
一番歳が近くて、仲が良かったY子さん。
Y子さんの夫も大手企業に勤めるサラリーマンです。
彼女は、小学生の娘を通わせている進学塾の費用を捻出するのが、いつも大変だと言っていました。
優秀な娘さんは、見事第一希望の私立中学校に合格し、Y子さんは、もっと多くのお金を稼ぐために、年収を所得税が課税されない103万円未満に抑えて働いていたのを、身分はパートのまま、社会保険料の負担が生じる106万円以上(従業員501名以上の会社の場合など諸条件あり)の収入を得る働き方に変えることになりました。
彼女は、今の会社を辞めて、契約社員か正社員の職を探すことも検討したそうなのですが、またいちから仕事を覚えること、そして新たな人間関係の構築をすることの面倒さや不安などを考えて、今の会社に留まり、働き方を変えることを選びました。
おわりに
近年は高齢出産が増えていることもあり、40代の後半というのは、多くの人が子どもの教育費が多くかかり始める時期になるでしょう。B子さんもY子さんも共に40代後半です。
そして、50を超えると、そろそろ親の介護が現実問題となってくる。
決して他人事ではありません。
私は、今は年収97万円のパートスタッフです。
でもこれから先、何があるかは分かりません。
B子さんやY子さんのように、我が家もこれから教育費の負担が増えることはもう、分かっています。
もしかしたら、もっと働かなければならない事態になるかもしれないし、親の介護が始まったら、働きたくても働けない事態になることも想定しておかなくてはいけません。
その為にも、働けるうちに働いて少しでも多くの貯金をし、なるべく夫の給与だけで生活を成り立たせる努力をしていかなくてはいけない、としみじみ思いました。
今回の三人の事象は、自分自身が同じ状況になったらどうするか?ということと、今からどう備えておくべきかを真剣に考えさせられる出来事でした。