難しい人間関係
パートを始めて、半年以上が経ちました。
今の職場は、常識があり、穏やかで親切な人がほとんどなので、人間関係で大きく悩むということはありません。
以前の職場の人間関係が辛すぎたので、今度の職場はパラダイスのようだ、と入社後しばらくは思っていました。
しかし、仕事に慣れてきて周りを見渡す余裕が出てくると、今まで見えなかったものが見えてくるようになるものです。
煩わしい人間関係
ほんの数人ですが、ちょっと苦手なタイプの人がいます。
最初は分からなかったのですが。
多くの人が集まると、どうしても合わない人が存在するのは、避けようのないことなのでしょうね。どんな集団でも。
100人いれば、考え方、感じ方は100通りあります。
一人として全く同じ考えの人間なんていないのです。
ぶつかり合ったり、誤解をすることを完全に避けることは出来ません。
万人から好かれることは、不可能でしょう。
ちょっとした誤解から関係にひびが入ることがあります。
そんなときは、本当に気持ちが沈んで、落ち込みます。
鈍感になる。図太くなる
何年か前に、医師で作家の渡辺淳一氏(故人)の著書「鈍感力」が話題になりました。
不倫がテーマの「失楽園」の著者でもありますが、これも一時は流行語となるほど大きな話題を呼びました。懐かしいです。
「鈍感力」とはマイナスのイメージがありますが、上手く世の中を渡っていくためには、持っているととてもプラスになる力であると思います。
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人間関係でつまずくと、色々気を回しすぎたり、相手の顔色や言動の一つ一つに対して深読みし、物事を悪い方へ、悪い方へと考えてしまいがちです。
勝手な想像でネガティブになって、まるで一人相撲。
こんな風ではいけない、といつも自分に言い聞かせています。
叱られても、嫌味を言われても、次の日にはケロリと忘れる。
悪口を言われても気が付かない。
もしくは、相手はきっと私のことが羨ましくて意地悪をするのだ、などと都合良く解釈をする。
ちょっとした事で傷ついたり落ち込むことなく、良い意味で自己中心的に。
鈍感で、図太くありたい。そう願い努力する日々です。
一人になりたい
職場に限らず、仲の良い友人や、家族間であっても、人間関係は難しいです。
元々、あまり社交的ではない私は、時々、あらゆる人との関わりに疲れてしまって、何もかもが嫌になってしまうことがあります。
ピアニストのフジ子・ヘミングさんは、エッセイでこのように語っています。
「人生の艱難辛苦から逃れる道はふたつある。音楽と猫だ」
これはドイツの偉人アルベルト・シュバイツァーの言葉。
~中略~
正直に言って、人間より犬や猫のほうが好き。心が落ち着く。たとえ親切にされようと、意地悪されようと、人にそばでウロウロされるのは嫌。でも猫にはウロウロされても、邪魔にならない。二日続けて人間とつき合うと、私は日傘やサングラスで半分顔を隠したくなるほど疲れる。やり切れない。
ドイツに居た頃の学校の長い夏休みは最高の日々だった。四十日以上も、誰とも会わずにすんだから。昼間も夜も開けっ放しの大きな窓からは、大木の間を風が通りぬけ、さらさらとした音が心地よかった。来る夏も来る夏も人間とは口をきくのも避け、会うのも避けた。部屋の中のピアノの練習の聞き手は、口をきかない動物たちだけだった。
私は動物とのほうがうまくいった。人間とかかわると傷つくから。わざとではないにしろ、誤解を招いたり、傷つけ合ったりして、結局は疲れちゃう。
人生に悩み、生きる力も失って、体が動かなかったことがあった。そういうときには音楽を聴いた。どれだけ救われたことか。沈んでいた気持ちが、音楽によって励まされ、癒された。そういう人ってたくさんいると思う。
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私は犬や猫を飼っていないけれど、フジ子さんの気持ちがよく分かります。
仲の良い友人とですら、会いたくない気持ちになるときもあります。
私の癒しは、音楽と小説です。
音楽を聴いたり、自分でピアノを弾いたり、小説を読んでその世界に浸ることで心の平安を保っています。
おわりに
人間は一人では生きていけないし、人間関係が煩わしいからといっても、まったく一人っきりだと、きっと寂しくて寂しくてたまらなくなるだろうと思います。
どんな世界に身を置いていても、人間関係の煩わしさから逃れることは、難しいことでしょう。
持って生まれた性格というものがあるので、なかなか自分の考え方を変えるのは難しいことではありますが、何事も過敏に捉えてしまうと、生き辛くなることは間違いありません。
良い意味で鈍感になること。
自分の世界をしっかりと持つこと。
働くこと、つまり生きて行くことは楽しいことばかりではありませんが、自分に合った方法で、少しでも楽しく、心地良く過ごせるようにしたいものです。